紅葉のころの西行庵はこちら

西行庵皆如庵(かいにょあん)

 もうずいぶん昔、「ズームイン朝」に「朝のポエム」というコーナーがあって、その中で京都の西行庵が紹介されました。わたし好みの萱葺きの低い屋根、風情のある門など、いかにも西行さんゆかりの建物と思って、たしか初夏のころ、訪ねました。

西行庵の母屋「浄妙庵」の前景 西行庵の入り口

 しばらく庭や西行堂を拝見しましたあと、母屋の入り口のところに「華道指南」の看板があったことを思い出し、声を掛けましたら、テレビでインタビューを受けておられた庵主さん(花輪宗恵さん)が出てこられ、ちょうど花に興味のあった時期でしたので、教えていただけないかとお願いしましたら、快く引き受けてくださいました。

母屋「浄妙庵」ここでお花を習っていました 浄妙庵の床

 習い始めて三月ほど経ったころ、三人いた生徒のおひとりが、ご主人の看病のため、もうおひとりが郷里に帰られるとかで、そのお花の教室はなくなりましたが、そういうご縁で、平成8年の3月に西行法師の800年忌遠忌の献茶とお茶会にご招待をいただきました。 「願はくは花の下にて春死なん その如月の望月のころ」と詠まれた西行さんを偲んでのお茶会でした。
 そのときにはじめて皆如庵でお茶をいただきました。この茶室は、豊臣秀吉の五大老のひとり宇喜多秀家の息女が久我大納言家に輿入れのおり、引き出物として持参したと伝えられる名席で、そのいわれもさることながら、席内の趣向にはたいへん感動しました。この茶席は長四畳の道安囲いの構えとなっていて、点前座が一畳で客座三畳とのあいだは一枚引きの襖で仕切られます。このとき、客座からは中柱まで閉じられた襖で亭主の姿は遮られて、柄杓の動く炉のあたりを眺めるのみ。お茶への期待がふくらむときです。
 もうひとつの趣向。床正面の壁に切られた円窓。夜の茶席のとき、この円窓の障子を通して水屋の灯火がやわらかく客座を照らし、いっそう趣を深めるのだそうです。別名「夜噺の席」と呼ばれる所以です。
 「西行堂」と皆如庵の画像がありませんが、ご自身の目でふれてみてください。春の西行忌と、西行庵の再興に尽くされた宮田小文法師をしのぶ秋の小文忌にはこの皆如庵で茶会が行われます。電話(075−561−2754)で訊ねてみてください。

京都案内に戻る トップページに戻る